能登の奇祭「伴旗祭り」製作風景(ベタ金貼り、津縫い)
2008.04.11
小木港で5月に開催される春の奇祭「伴旗祭り」
祭りの製作も佳境に入ってきました。
前回、土台となる巨大な紙に大きな字を書いた後、
これを装飾する作業を行いました。
まず、金紙と銀紙を大小決まった大きさのそれぞれ正三角形に切ります。
これを地元では「ベタ金」と言います。語源は定かではありませんが、おそらく
文字に貼り付ける際に「べたっと」貼り付けるといった単純な語源が由来かと思います。
この「ベタ金」を書した文字にのりを使って貼り付けていきます。
その際に私が子供の頃に教えてもらったアドバイスは「花を作るな」
つまりは三角形のベタ金を均一に貼っていくと花模様が出来る場合があります。
これを文字の中に作ってしまうとその部分だけが目立ってしまい、「画」としての
バランスが崩れると教えられました。
そのため私がこの「ベタ金」を貼り付ける場合には微妙に位置をずらして貼るように
心がけております。
この日は「ベタ金」を貼り付けた後、旗を立てる際に使う「旗木」に通すための袖
これを小木では「つ」とか「ち」と言います。語源は…
正直分かりません…
これは黒いボール紙を決められた大きさに裁断して加工を施し、一定の間隔に
旗に取り付けます。この、取り付け方法ですが町内によって異なります
太目の糸と針を使って縫い付けるか、糊とテープを使って固定するかのいずれかですが
私たちの町内では前者の「縫いつけ」を行っております。
使う津の量も町内によって異なっておりますが、私たちの町内の場合は
概ね30枚前後の津を縫い付けます。
今回の作業の間に各パーツを作ったり、それを準備したりといった作業は今でも
子供たちが中心となって春休みを利用して行われております。
しかし子供の数は以前より明らかに減少しているのが悲しい現状です。
以前は子供たちだけでこの作業を一貫して行っていましたが、他の地方同様、
少子高齢化に過疎化が追い討ちをかけ、現在では大人も加わらないとこれら作業は
成立しない状況となっております。
これでおおよそ旗本体は完成しました。
次回はこれを立てる船の準備等を紹介する予定です。