神旗願復興(シンキフッコウヲネガウ)2011年伴旗祭
2011.05.05
毎年5月2日と3日に開催される「小木伴旗祭り」
今年は復興を祈念する祭りとなりました。
例年、伴旗祭りの制作は3月の初めから始まります。
今年は各町内が制作している最中に東日本大震災が発生し、祭り自体を中止しようかという議論も交わされましたが、世相が沈んでいる中で同じ被災経験のある能登から元気を発信しようということで予定通り執り行われることになりました。
伴旗祭りは9つある町内がそれぞれ高さ20メートル以上ある大きな旗を作り、その旗に5文字で口上を書き、氏神である御船神社に奉納します。今年は西町町内会が「神旗願復興」(シンキフッコウヲネガウ)と書き、震災に見舞われている東日本地域の早期復興を文字通り祈願しました。
(画像クリックで拡大)「小木ともばた祭り」は、その昔、北国平定に向かう大国主命(おおくにぬしのみこと)が能登半島で暴風に襲われた際、小木にある御船神社の猿田比古命(さるたひこのみこと)らが、神旗(伴旗)を立てて祈り、航海の安全を祈願したことが始まりとされており、石川県の無形民族文化財に指定されております。
そういう祭りだからこそ、予定通り執り行って海の平静を祈念して被災地の復興を願おうという意味合いも込めて今年は実施されたようです。
あいにく今年は曇り空が広がり、晴天の中での開催とはいきませんでしたが、そのぶん風がなく、祭りを運航する上では、とても安全な祭りとなりました。
伴旗船の上では町内の子供から大人までが一緒に乗り込み、太鼓をたたいて騒ぎます。
この時ばかりは仕事や家庭の事情で小木を離れている人間が久々に顔を合わせ、海の男の心意気を披露します。(因みに台の上で太鼓を叩いている一番勇ましい彼は、今現在は諸般の事情で「湖の男」になっています。)
こうして終わった今年の伴旗祭りですが、旗に奉納した「神旗願復興(シンキフッコウヲネガウ)」の願いが被災地に届くことを祈らずにはいられません。