小木ともばた祭り、能登の春を彩る奇祭
2009.05.04
「小木ともばた祭り」は、その昔、北国平定に向かう大国主命(おおくにぬしのみこと)が能登半島で暴風に襲われた際、小木にある御船神社の猿田比古命(さるたひこのみこと)らが、神旗(伴旗)を立てて祈り、航海の安全を祈願したことが始まりとされており、石川県の無形民族文化財に指定されております。
旗の大きさは約20メートル。早朝に町内の大人たちによって立てられた伴旗は、小木港内を勇壮に回ります。
伴旗祭り2日目、御舟神社を出た神輿は小木地区の全町内を練り回ります。
2日目、港内を回る伴旗は午後になると御座船(神輿を載せる船)を先頭に、1箇所に集結します。
この伴旗祭りのクライマックスは、御座船を先頭にして全ての伴旗船を連結してパレードする「神輿送り」であります。昨年、御舟神社の神輿は数十年ぶりに修復され、今回は新装なった神輿のお披露目でもあります。
午後3時過ぎ
きれいに化粧直しされた神輿が港に姿を現しました。
神輿を先頭に百人近くの大行列であります(天狗もいます)
整然と並んだ伴旗の下を練り歩き、やがて御座船に鎮座すると、この御座船1隻と9隻の伴旗舟すべてを連結して牽引する船凍イカ釣り漁船「第68日章丸」が高らかに汽笛を鳴らし、岸壁を離れます。
このクライマックスのパレードの頃、伴旗の上では
このように大騒ぎであります。
(これは悪いパターンで、ごく一部の若い衆の画像です。全ての舟の上がこのような状態では決してありません…)
と、盛り上がってきたところで、先頭の曳き船が再度汽笛を鳴らすと、パレードの列は神輿の御本尊である御舟神社へ向かいます。
御舟神社は小木港の外に面しているため、防波堤を越えて外海に出ます。
御神体が御舟神社前に到着すると、曳き舟は行き足を落とし、各船の責任者はそれぞれの舟の四隅に御神酒を撒き、神式に則って参拝して御神酒を廻します。
年によっては風が吹き、荒れる年もあるのですが、今年の伴旗祭りは2日目は曇ったものの、風も弱く海も時化ていない最高の祭りでした。